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グーパージャス|昭和の校庭で跳び続けた足遊び、二択のジャンプが生む全力の伝承ゲーム

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グーかパーか、足の形を決める瞬間が好きだった

足を揃えるか、開くか。たったそれだけの二択なのに、テンポが速くなると間に合わなくなる。

グーパージャスは足のじゃんけんだ。グーは両足を揃えた状態、パーは両足を肩幅より広く開いた状態、そしてジャスは何かが起きる特別な号令。この三つの動きをテンポに合わせて切り替え続ける。単純なのに、みんなが全力になった。

昭和の休み時間や体育の準備運動でよく使われていた。道具もルールの説明書も要らない。グー、パー、ジャスの三つの動きと、それを仕切る人間が一人いれば始まる。

足を動かすだけの遊びなのに、うまくいったときの気持ちよさと、失敗したときの悔しさが、ちゃんと別物として存在していた。


グーパージャスとはなにか|足の形が作る昭和の運動遊び

起源と昭和での広まり

グーとパーという言葉をじゃんけんの手の形から体の動きに転用した遊びは、昭和の体育教育の中で自然発生的に広まったとされる。じゃんけんで勝敗を決める文化が根づいていた昭和の子どもたちにとって、グーとパーという概念は即座に理解できた。

足を揃えるグーと足を開くパーの二択でジャンプする動作は、縄跳びや体操の準備運動として使われる中で遊び要素が加わり、ゲームとして発展していった。ジャスという号令が加わることで、単純な二択に「止まる」「特別な動作をする」という要素が組み込まれ、反応速度と判断力を同時に問う形になった。

地域や学校によってジャスの意味や動作が異なり、確定したルールが存在しない点が伝承遊びらしさを持っている。

足のグーとパーの基本

グーは両足を揃えて立った状態。足を閉じたじゃんけんのグーに見立てた形だ。

パーは両足を肩幅より広く開いた状態。指を開いたじゃんけんのパーに見立てた形だ。

この二つの状態を跳んで切り替えることが、グーパージャスの基本的な動作になる。連続して跳ぶことで有酸素運動としての負荷も生まれ、体育の準備運動や遊びとして使いやすかった。

基本データ

項目内容
必要なもの何も不要
人数2人から。大人数になるほど応用が広がる
場所体育館、校庭、広めの室内
所要時間1回5〜15分
対象年齢幼稚園から大人まで
費用完全無料

遊び方の種類と基本手順|グーパーから始まるゲームの広がり

基本のグーパー跳び

最もシンプルな形は、掛け声に合わせてグーとパーを跳び続けるだけだ。

「グー」と聞いたら両足を揃えてジャンプ、「パー」と聞いたら両足を開いてジャンプ。これを繰り返す。慣れてきたらテンポを速くすることで難易度が上がる。

一人でやっても練習になるが、誰かが号令をかける形にすると、次に何が来るか分からない緊張感が生まれる。「グーグーパー」「パーグーパーパー」のように連続させてリズムを変えると、脳と体の両方が追いつかなくなる瞬間が来る。


ジャスが加わる形式

「ジャス」という号令が加わることで遊びの次元が変わる。ジャスの意味は地域や仲間うちで異なったが、代表的なものをいくつか挙げると以下の通りだ。

ジャスで全員が動きを止めてフリーズする形式は、音楽が止まる椅子取りゲームに近い緊張感を生む。直前の動きがグーかパーかに関わらず、ジャスと言われた瞬間に静止する。動いてしまった人や止まるのが遅れた人がアウトになる。

ジャスで前の人と別の形にいなければならない形式もある。前の人がグーならパー、前の人がパーならグーで止まるという条件がつくと、周囲を見ながら判断する要素が加わる。

ジャスで両手を頭に乗せるなど特定の動作を加える形式もあった。体全体の動きになるため、遊びとしての見た目の面白さが増す。


縦並びでの応用形式

縦一列に並んで、先頭の人が後ろを向いてグーかパーのポーズを見せる。後ろの人は見た瞬間に同じポーズを取る。全員が揃ったら次の号令に移る。ポーズが揃わなかった人が前に出て先頭になるルールにすると、自然に交代が起きる。

この形式は列の長さが増すほど「伝言ゲーム」的な混乱が生まれやすく、後ろの方の人ほど見えにくくなるという難しさが加わる。


対戦形式

二人が向かい合い、ジャンケンのように同時にグーかパーかを出す。勝ち負けをじゃんけんとは別のルールで決める——例えば相手の出した形と違う形を出した方が勝ち、または同じ形なら相手の足を踏めるなど——ことで全く別のゲームになる。

この形式は「足じゃんけん」として別名で広まっていた地域もあり、グーパージャスの名前を使わなくても実質同じ遊びをしていたことが多かった。


遊び方と、あの頃の記憶

体験談|体育の準備運動が、気づいたら本気の勝負になっていた

小学4年の体育の授業だった。

担任の先生が準備運動の一環として「じゃあグーパーやろう」と言い出した。最初は軽い感じで始まったが、先生がテンポを上げていくにつれてクラスの空気が変わった。

グーグーパーグーパーパーと矢継ぎ早に号令が来ると、足が頭より速く動くか、頭が足に追いつくかの戦いになる。途中で「ジャス」と叫んで全員がフリーズする指示を出した先生の前で、クラスの半分近くが動いてしまった。

「もう一回」という声が自然に上がった。準備運動のはずが、気づいたら全員が本気になっていた。

あの体育の授業が何の単元だったか全く覚えていない。でもグーパーで全員が笑いながら全力になった準備運動の時間は、不思議と鮮明に残っている。


安全面の注意

ジャンプを繰り返すため、膝への負担を考慮して床の硬さには注意する。コンクリートより体育館の木製床の方が衝撃が少ない。激しく長時間やると疲れが出るため、休憩を挟みながら進めることが大切だ。フリーズした状態で他の人と接触しないよう、十分な間隔を取って始める。


令和アレンジ|グーパージャスを現代の感覚でもっと楽しむ

音楽に合わせたリズムゲームとして

好きな曲を流しながら、曲のリズムに合わせてグーとパーを切り替える。ジャスの代わりに特定の歌詞が来たときにフリーズするルールにすると、聴く集中と体を動かす集中が同時に必要になる。音楽とダンスが合わさった形として、子どもたちが自然と続けやすくなる。

反射神経トレーニングとして

スポーツの準備運動として使う場合、テンポを徐々に上げながら記録を取る。何秒間一度も間違えずに続けられるかをタイマーで計測する形にすると、個人記録の更新という動機が生まれる。反射神経と体の協調性を数値として意識できる。

上半身の動きを組み合わせた発展版

足のグーパーに加えて、腕の動きも組み合わせる形に発展させる。足がグーのとき腕は横に広げる、足がパーのとき腕は上に伸ばす——組み合わせを増やすほど難易度が上がり、全身運動としての負荷も高まる。体育の授業での応用や、高齢者施設での全身運動として使いやすい形だ。

子どもが号令を出す側になる

大人や先生が号令を出す形から、子どもたちが交代で号令を出す側になる形にする。次に何の号令を出せば相手が間違えるかを考える出題者の楽しみが、参加者の楽しみとは別の種類の面白さを持っている。出題側の経験が、遊びへの理解を深める。

高齢者施設での座位バージョン

椅子に座ったまま、足を揃えるグーと足を開くパーを繰り返す形にする。立てない参加者でも下半身の運動として参加できる。テンポを落として全員が合わせやすい速さで進めると、参加感を保ちながら上肢と下肢の協調運動として機能する。


グーパージャスが育てるもの

反射速度と体の協調性

号令が来た瞬間に足を動かす。この反応の繰り返しが、聴覚から運動への情報処理速度を鍛える。スポーツ全般で求められる素早い状況判断と体の動きの連動が、この単純な動作の中に含まれている。

集中力の持続

テンポが速くなると、一瞬でも注意が逸れれば間違える。この集中力の要求が、子どもたちを真剣にさせる。短い時間に高い集中を求めるという意味で、脳への刺激として質の高い遊びだ。

笑いを共有する体験

誰かが間違えるたびに笑いが起きる。自分が間違えても笑いになる。この構造が、失敗を恥とせず場への貢献として処理できる雰囲気を作る。全員が対等に失敗する可能性を持っていることが、心理的な安全感を生む。

体を動かすことへの入り口

複雑なスポーツルールを覚えなくても、グーとパーだけで全力で体を動かせる。運動が苦手な子どもでも、足の形を切り替えるだけなら参加できる。体を動かすことが楽しいという感覚の入り口として機能する。


グーかパーか、一瞬で決めた

グーパージャスに必要なものは、声と足だけだ。

広い場所も道具も用意しなくていい。「グー」と言えば足が揃い、「パー」と言えば足が開く。「ジャス」で何が起きるかは、その場で決めればいい。

昭和の校庭で準備運動のつもりで始まったのに気づいたら本気になっていた、あの感覚は今でも体に残っている。単純だからこそ全力になれる遊びのひとつだ。

次に子どもたちが集まる場で、「グー」と言いながら足を揃えてみてほしい。それだけで伝わる。あとは声を出し続けるだけで、場が動き始める。

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この記事を書いた人

昭和49年生まれ。団地の広場や空き地で、毎日のように友だちと遊び回って育った世代です。
ファミコンも好きだったけれど、やっぱり心に残っているのは、竹馬、メンコ、缶蹴り、ゴム跳び…あの頃の外遊びのワクワク感。

子どもたちがスマホやゲーム中心になっていく中で、
「昭和の遊びって、実は今の時代にもめちゃくちゃ価値があるんじゃないか」
と感じるようになり、休日は地域の子ども会で昔遊びを教えたり、会社のレクリエーションで昭和ゲームをアレンジして楽しんだりしています。

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